レオパードゲッコーの基礎知識

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レオパードゲッコーの基礎知識

2023年12月22日

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レオパードゲッコーの基礎知識

2023年12月22日

はじめに

レオパードゲッコー(以下レオパと呼ぶ)は、他の多くの爬虫類に比べて飼い易く、大人になった時の大きさも小柄で、初心者向けの爬虫類としてとても人気があります。

このページではそんなレオパの基本的な情報と飼育方法を軽く紹介します。

原産地はアフガニスタン、パキスタン、イラン、インド北西部と言われています。どの地域も比較的乾燥しており温かい地域です。レオパは野生下では、全体的に黄色く黒い斑点模様があり、この斑点模様が和名である、ヒョウモン(豹紋)トカゲモドキの由来です。生まれたばかりの子どもは縞模様をしており、成長と共に斑点のような見た目に変化します。品種(モルフ)が多く、真っ白の個体から真っ黒な個体まで様々な種類がおり、その数は150種を超えています。

種の概要

通称:レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)

学名:Eublepharis macularius

分類:爬虫網 有鱗目 トカゲ亜目 ヤモリ科 トカゲモドキ亜科 アジアトカゲモドキ属

大人の大きさ:全長18cm前後

体重:50~90g(ゴジラやジャイアントなどの大きさに影響を及ぼすモルフを除く)

寿命:15年程度(飼育下では20年以上生きた個体も存在する。)

食性:食虫動物

性質:夜行性 単独飼育がおすすめ 自切する

レオパの特徴5選

日本では「レオパ」と呼ばれるレオパードゲッコーは、爬虫類の中では飼育が簡単とされており、初心者から玄人まで人気があります。その理由はケージのメンテナンスをほとんど必要としないためです。

  1. 地上で生活を行う夜行性のヤモリで、他のヤモリのように趾下薄板と呼ばれる極微細な剛毛がないため、ガラスやプラスチックなどの壁を登ることができません。また、他のヤモリとは違い、まぶたがあります。
  2. 噛みつきにくく、普段は動きがとてもゆっくりです。稀に驚いたときや怒った時などに「きゅー」と鳴きながら素早く動くことがありますが噛むことはほとんどありません。
  3. ハンドリングしやすく、ある程度手のひらで遊ぶことができます。但し、過度なハンドリングはストレスを与えることがあるため、1日5分から10分程度を上限に生体の様子を見ながら行うことをお勧めします。
  4. 尻尾を使ってコミュニケーションを取ります。餌を見つけた時やオスがメスを見つけた時などに尻尾を揺らします。特にオスがメスを見つけた時に行うガラガラヘビのような尻尾の動きは初めて見た人は驚く事でしょう。また、ゆっくりと尻尾を左右に揺らしてるときは何かしらの脅威を感じて攻撃をしようとしている可能性があるため、複数のレオパを1つのケージで飼育している方はレオパが喧嘩をしないように注意してください。
  5. 他の多くのヤモリと同じように危険を察知すると尻尾を切ります。これを自切と呼びます。一度尻尾が切れてしまっても再度似たような尻尾(再生尾)が生えてきます。前と同じ柄ではないですが、健康上の影響はありません。もちろん、切れた後はかなりのストレスがかかり、体力を使うことになるため、ハンドリングは避け餌を多めに上げるようにしてください。

飼育ケージ

1匹のレオパを飼育するのにサイズ縦30.0cm×横20.0cm×高さ15.5cmのケージが最小限の大きさです。もちろんより大きなケージが望ましいです。基本的には単独飼育で繁殖に取り組みたい時のみオスとメスのレオパを数時間~2日間程度一緒のケージで飼育してください。

レオパは隠れるのが好きな生き物なので、体全体が入るサイズの入れ物や植物などを用意してください。壁は登れませんが丸太や素焼きの入れ物などは登れるため高低差を出すのもおすすめです。

1日1回ケージ内の糞を確認し、取り除きます。半月に1度はケージ内の物をすべて取り出し、床材を交換し、アルコールなどで消毒することをおすすめします。アルコールを使った後はすぐにレオパを戻さず、一度水拭きしてしばらくしてから戻すようにしましょう。また、全体を掃除した後はおかしな動きや普段と違う動きをしていないかを十分に確認してください。

レオパの床材はソイルや砂、ヤシガラ、キッチンペーパー、ペットシーツなどがあります。好みの物を選択して使用してください。

レオパが脱皮不全や便秘を起こしてる際は、浅い入れ物にお腹がつかるようにぬるま湯(35度程度)をいれ、10~15分間浸すことで対処できることがあります。それでも良くならない場合は速やかに近くの病院に診てもらいましょう。

紫外線について

爬虫類ではしばしば紫外線を必要とする子がいます。レオパは夜行性のため、基本的には紫外線ライトなどの特別な機材は用意する必要はありません。但し、餌でミルワームを多く与えている場合は紫外線ライトの導入を考えても良いかも知れません。ミルワームにはリンが多く含まれているため、カルシウムの吸収を阻害してしまいます。カルシウムがうまく吸収できないとクル病(代謝性骨疾患)などの骨に影響を及ぼす病気になる可能性があります。もし紫外線ライトを導入場合したいは、UVAおよびUVBライト(2~7%)程度のものを使用することをお勧めします。

温度と湿度

ケージ内が20度を下回らず、30度を上回らなければ基本的には問題ありません。レオパに限らず爬虫類は温度勾配がとても大事です。ケージの中で20度の場所があれば30度の場所もあるのが理想的です。この温度勾配を出すために、ヒーターを敷いたりライトを取り付けたりすると良いです。レオパが入る可能性のある入れ物の下にはヒーターは敷かないように気を付けましょう。入れ物の中は温度が高くなりやすいため、気が付いたら40度だったなんてこともあります。また、ヒーターはケージの全体には敷かず3分の1程度に敷くことをおすすめします。これはケージ内で温度の差をつけるために有効的です。管理が可能であれば、夜は21度~24度程度まで温度を下げると日中と夜間の温度差をつけることができます。

湿度は、30~40%に保ち、レオパが入る入れ物の中は湿度を高めにすると良いです。湿度が低すぎると脱皮不全の原因になり、指の切断に繋がることもあります。

ケージ内に入れられる大きさの温湿度計がありますので、購入しておくことをお勧めします。

レオパは食虫動物です。コオロギやデュビア、ミルワームなどを与えます。産卵後のメスのレオパなどにはピンクマウスを与えるのも効果的です。

子供には毎日食べるだけのコオロギを与える必要があります。その際、コオロギやミルワームなどがレオパの内臓を傷つけないようにハサミなどで切り取ると良いです。そのまま与えてしまうと、お腹の中でコオロギなどが噛みつき内出血を起こしてしまうことがあります。

大人になったレオパには、1週間に2度ほどコオロギやデュビアなどを数を決めて与えると良いです。数字的な目安は個体にもよりますが、2~3g体重が減ったら同量の餌を与えると良いです。

補足

レオパに昆虫を与える24時間以内に、餌に餌を与えるガットローディングを行うことをおすすめします。通常、昆虫は長時間栄養を体に留めておくことができないため、普段はラビットフードなどで管理し、餌として与える24時間以内に野菜やゼリーなど栄養価の高い餌を与えます。また、カルシウムの粉末を餌にする昆虫に添加します。何回かに1度の餌には、ビタミンD3も一緒に添加すると、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。

カルシウムやビタミンの粉末はお皿の上に置いておくと必要に応じて、レオパが舐めることもあるため、ケージ内に置く余裕があれば置くことをおすすめします。

代表的な病気5選

レオパは非常に強い種類の爬虫類ではありますがいくつかの病気にかかることがあります。代表的なものを5つ紹介します。これ以外にも多くの病気があるため、様子がおかしいと思ったら自己判断せずすぐに病院に診てもらいましょう。

  1. クル病(代謝性骨疾患):レオパで最もよく聞く病気で骨が変形してしまう病気です。主にカルシウム不足により起こります。餌でも記述したように、カルシウムを与えていても、リンなどの摂取によりうまく体内に吸収されず起こってしまうこともあります。軽度の物であればビタミンや紫外線ライトなどを導入することによって症状が軽減することもあります。
  2. 細菌感染:細菌感染によって下痢を引き起こしたり餌を食べなくなったりします。餌を食べているのに尻尾が細くなったり、下痢をしていたりする場合はレオパまたはレオパがした後の乾燥していない糞を病院にもっていくことで検査してもらえる場合が多いです。主に体調を崩していたり、ケージ内が清潔ではなかったりするときに起こりますが、ペットショップやブリーダーから爬虫類を連れてきたときに元々感染しており、他の子に感染してしまうこともあります。通常の細菌や虫であれば駆除できますが、クリプトの場合完全に取り除くことは難しいかもしれません。
  3. 呼吸器感染症:レオパは肺炎を含む様々な呼吸器系の病気にかかります。鼻腔や口から呼吸音がしたり、粘液の泡が口から出ている場合は呼吸器に問題を抱えています。個人では治すことが困難なため、ケージ内を清潔に保ち、速やかに病院に行きましょう。
  4. 脱皮不全:他の爬虫類同様、レオパも栄養不足やケージ内の湿度不足によって脱皮不全を起こすことがあります。特にレオパの場合は目や指先に起こりやすいです。ぬるま湯につけ、綿棒などで優しくなでるようにすると残った皮を取ることができます。発見が遅れると手が壊死してしまったり視力が低下してしまったりするため、脱皮の兆候が見られたらよく観察するようにしましょう。
  5. 脇の下の膨らみ(脇ぷに):病気とは違いますが、レオパが何かしらの栄養を過剰に蓄えている場合に起こりやすいです。脂肪、ビタミン、タンパク質、カルシウム、その他のミネラルが含まれることがあります。特にビタミンは栄養素として残りやすいため、ビタミンの与えすぎには注意しましょう。繁殖の方法により、体質的に栄養を蓄えやすい個体もいるため、脇ぷにだけで判断せず、体重の確認も怠らないようにしましょう。

レオパを飼う前に注意する事

レオパは爬虫類の中でも長命な種類です。20年以上一緒にいることもあります。環境の変化や飽きたからもういらないなどが無いようによく考えてから飼育するようにしてください。

レオパは食虫動物です。ペットショップやイベントなどで一部の方が人工飼料だけで飼育ができますという方がいます。「今」人工飼料や冷凍の餌を食べていたとしても、いつかは生きた餌(生餌)しか食べなくなることもあります。人工飼料で飼えるなら良いか~と安易に飼わず、一度冷静になって生餌を扱えるか考えましょう。

生体の健康に気を付ける必要もあります。先に記述した2つの項目が守れる方は、手足がしっかりしており、首や頭が大きく、尻尾が細くない個体を探しましょう。また、子供のときの柄と大人の柄はまったくことなります。子供の時の柄がかわいいからと飼育を始めた後に柄が変わってしまっても最後まで飼育するようにしてください。飼育することを決断した際、別の個体もしっかり見て、やせ細っている子がいないか、極端に尻尾が細い子がいないかなども確認するようにしましょう。

飼育に自信がない方や初めての方は生まれたばかりの子供ではなく大人のレオパを飼育することをおすすめします。餌の頻度や温度や湿度の調整、先天的に持っている障害などがわかりやすく、飼育しやすいことが多いです。

よくある質問

レオパはなつきますか?

レオパに限らず、爬虫類がなつくことはありません。餌の時間や飼い主を覚えて近づいて来ることはありますが、犬や猫のようになついているわけではなく、慣れているだけです。それでも愛嬌があるため、かわいいと思います。個体によっては人間がいる間は完全に隠れて出てこない子などもいます。カメラを設置するなどして餌を食べているかを確認してください。

 

レオパは野菜や果物を食べるの?

ピンセットでの餌付けをしてる場合、食べさせることは可能ですが、吐き戻したりお腹を壊したりすることがあるため、絶対に与えないでください。野菜や果物を与えたい場合は、ガットローディングを用いて、餌であるコオロギなどに野菜や果物を与えてからレオパに与えるようにしてください。

 

レオパが噛むことはあるの?

基本的には噛まないと記述しましたが、噛むこともあります。交尾中に手を出す、メスを触った手でそのままオスを触ろうとした際に噛まれることが多いです。他にも威嚇しているのにも関わらずそのまま手を出し続けている場合も噛まれることがあります。他の爬虫類に比べて傷は浅く済むと思いますが、流血は余裕でします。また、サルモネラ菌などが傷口から入る可能性があるため、噛まれたらすぐに流水で傷口を洗い流すようにしてください。異変を感じたらレオパ同様人間用の病院に行くようにしてください。

 

レオパの脱皮の頻度はどのくらい?

子供のレオパは数日~数週間に1度脱皮します。大人になるにつれて脱皮の頻度は減り、最終的には1~2か月に1度程度に落ち着きます。脱皮前は普段よりも白くなるため、真っ白な子を除いてすぐにわかると思います。白くなってからは1~2日以内に脱皮します。脱皮不全がないかハンドリングしながらよく見てあげてください。脱皮前にハンドリングをしたり、脱皮を毎回手伝ったりするとレオパだけの力で脱皮ができない子になる可能性があるため、脱皮が終わるまでは温かい目で見守ってあげてください。

最後に

レオパは爬虫類初心者の強い味方であると同時にかけがえのない1つの命です。値段や飼育のしやすさで安易に決めず、人間の子供を1人育て上げるくらいの気持ちで飼育を始めてください。おそらく覚悟を決めて飼育を始めたあなたは、爬虫類の沼から抜け出せず、爬虫類の奴隷になっていると思います。楽しい爬虫類ライフを送ってください!

今後レオパの品種(モルフ)や飼育用品などを紹介したページなども随時準備予定です。他の爬虫類も少しずつ紹介していきます。

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